織本真理の「シニア女性の心を掴むヒントあれこれ」

毎日の暮らしの中で感じる様々なこと、うれしかったこと、美味しかったものなどを気ままに綴ります。

シニア女性って、どんな人?

年齢的には65歳~

2022年は、団塊の世代は70代、その下のhanako世代は60代になりますが、“シニア女性”の年齢や定義は、業界等でそれぞれ異なりはっきりとした定義はありません。また自分自身がシニア世代だと感じる年齢も人により異なります。調査によると、自分自身が高齢者と感じるようになる年齢の分岐点は70代前半が多いようです。60代はまだまだ体力もあり、気持ちも若い時と変わりませんが、人によっては老化を感じる人もいます。なので、ここでは、おおよその年代としてWHOが定義する65歳以上の女性をシニア女性ととらえたいと思います。

 シニア女性の価値観や行動に影響を与えた9つのエポック

シニア世代の女性の心の中を理解するためには、彼女たちが育ってきた時代背景、環境の変化、消費行動などを知ることが必要です。団塊の世代は、モノがなかった戦後の貧しい時代から、社会や生活が豊かに変化していく大きな波のうねりとともに、生きてきた世代。ちょっとしたことでは動じない精神的な強さとさまざまな価値観、そして前向きに未来を信じる志向性がある世代といえるでしょう。

 

1:幼少期時代のものがなかった貧しい生活体験

幼少期はまだ戦後で生活も貧しかった。モノは捨てずに大切にした。食事を残すと親に怒られた。

 

2:戦後の高度成長時代とともに成長

1956年(昭和31年)の経済白書「もはや戦後ではない」という言葉が流行語になり、家電品だけでなくさまざまな新製品が誕生・発売され、お茶の間生活からダイニングキッチンへと、生活スタイルが一変していく様子をまざまざと目にして、自らも体験してきた。新しい商品の登場は驚きとともに迎えられ、豊かさへの変化の象徴だった。

 

3: アメリカのTVドラマで憧れた家電品のある生活

「うちのママは世界一」「パパは何でも知っている」などのアメリカのホームドラマの影響で、家電品のある幸せなアメリカの家庭像に憧れた。家電品(白黒テレビ・電気洗濯機・電気冷蔵庫)は三種の神器といわれ、家電品を揃えることが豊かな生活の象徴だった。

 

4:目覚めた女性たちの自立意識

1980年代は、働く女性(主婦)が増え続け、1992年には働く女性(主婦)が半数を超える。またウーマンリブ、男女雇用機会均等法などさまざまな面で、女性の自立をサポートする運動や仕組みができてきた。家電品メーカーも、夜や早朝に家事ができる、音が静かな「静か商品」を開発して女性の共働きをサポートした。

 

5:続々と創刊された女性雑誌の影響

1970年(昭和45年)に創刊された「anan」から始まり、1970年代は「nonno」「JJ」[popeye]「MORE」が創刊され、1980年代には「25ans」「「Lee」「vivi」「オレンジページ」「Hanako」等の女性誌が創刊され、女性たちのトレンド発信&情報源となるとともにお手本になった。

 

6:豊かな消費生活を謳歌したバブル体験

1986年(昭和61年)から1991年(平成3年)のバブル期は、豊かな消費生活を謳歌した時代。百貨店での買い物、外資系化粧品、ブランドものなど高級商品を自由に買える生活体験をし、トレンドの発信地は雑誌と百貨店だった。百貨店での買い物を通じ、商品をみる眼が肥やされた。

 

7:バブル時代の終焉、失われた20年の始まり

1991年(平成3年)バブル時代が終わり、社会や生活は落ち着いてきた。1991年から2010年までは日本の経済成長が停滞しいわゆる“失われた20年”になる。株価も低迷し、2008年にはリーマンショックで世界不況に。2011年の東日本大震災を経験して、2012年のアベノミクスで新しい局面を迎える。

 

8:年号が令和に代わり、新しい時代が始まる

2019年5月1日、消費行動の土台が大きく変化した平成時代が終わりを告げ、新しい時代が始まった。平成時代は働く女性が増え、インターネットやSNSが毎日の生活に浸透し、モノを所有せずに利用するシェアリング・エコノミーが広がってきた時代。また、共働き世帯が増えることで時短ニーズや代行ニーズもますます強く、単身者世帯も増え、この流れは令和になっても止まらない。そして2019年12月、新型コロナウイルスとの戦いが始まった。

 

9:コロナ禍で生活様式や意識が大きく変わる

世界中で頻繁に起こる大規模な自然災害や夏の猛暑、温暖化現象によるさまざまな異変を目の当たりにしたことや、テレワークやおうち時間の充実などコロナ禍によるライフスタイルの変化により、シニア女性の生活・消費意識は大きく変わってきた。「サステナブルな買い物や商品、生活への意識」への関心が一気に高まり、全世代の中でも60代以上の女性の関心度が最も高いことがいくつかの調査結果にも表れています。コロナ禍が終息してもこの傾向はますます加速するでしょう。

※楽天インサイト「サステナブルな買い物に対する調査」(2020年)

リサーチデータ(2020年)サステナブルな買い物に関する調査|楽天インサイト (rakuten.co.jp)

※(株)KDDI総合研究所調査レポート「環境を意識した購買は60代女性がキーパーソン」

調査レポート R&A「環境を意識した購買は60代女性がキーパーソン」 | 株式会社KDDI総合研究所 (kddi-research.jp)