織本真理の「シニア女性の心を掴むヒントあれこれ」

毎日の暮らしの中で感じる様々なこと、うれしかったこと、美味しかったものなどを気ままに綴ります。

たんぱく質は1食にどのくらいとったらいいの?

たんぱく質は健康の基本

毎日しっかりとバランスのとれた食事をすることが元気の基本。この当たり前のことをきちんとすることがいかに大切かを5年前に身をもって体験した私は、今は栄養のバランスを考えて3食きちんととるようにしています。不規則な食事やお酒もきっぱりとやめて、たんぱく質と野菜もたっぷり。きちんとした食生活を続けていると体も軽く、気分も明るく元気になります。

ところで、「高齢になったらタンパク質を十分に摂る」とよくいわれていますが、毎日の食事でたんぱく質はどのくらい摂ったらいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。私も、実はその一人でしたが、つい食べ過ぎて体重が増えてしまったり、といって控えめにすると栄養が足りているかわからない、ということもあり、自分が毎日食べているものはある程度数値で把握しておいた方がいいと思い、まずは、食材のたんぱく質について整理してまとめてみました。

 

 

佐藤和子医師がすすめる食事

私がいろいろとアドバイスをいただいている佐藤先生。健康的な食事の啓蒙活動や病気の方の食事指導をされているNPO法人ヘルスプロモーションセンターの佐藤和子医師によれば、バランスがとれた食事とは、

①毎日3食、朝昼夕ともに均等にいただくこと(1日の栄養所要量の1/3を満たすような食品の組み合わせを心がける)。これは、たんぱく質に限らず1日に必要な栄養所要量は、1回にまとめて摂ればOKというものではなく、3度の食事で均等に摂る「each meal perfect という考え方が重要であるということで、実験結果からも実証されているそうです。

②重要な栄養素の順位は以下の順とする→たんぱく質・カリウム・ビタミンC・鉄・ナイアシン・ビタミンD・ビタミンB・ビタミンA・カルシウム・リン・食物繊維。

③また食事の時間は、朝は7時までに終わらせることを推奨しています。

④そして、たんぱく質は1食で30~35gの摂取を目安にしています。

1食30gというのは自分で意識しないとちょっと摂れない量かもしれません。でも食材のおおよその数字を把握してちょっと工夫すれば大丈夫。数値に神経質にならずにおおよその感覚でやっていけば続きます。家族のためにも自分が健康であることが大切だと思い、私は毎日続けています。

 

手抜き歓迎、バランスよく摂りたい3つの栄養グループ

毎日仕事で忙しかったり、ひとり暮らし、また外食が多いと、バランスのいい食事を、と頭では分かっていても実際にはなかなか難しいですよね。昔、雑誌でみた一流の料理研究家の特集で、「焼き厚揚げ」というレシピが紹介されていました。厚揚げをオーブントースターで焼いてすりおろした生姜でいただく、というだけのもの。こんな簡単な1品でもたんぱく質はプラスできますし、「焼きさつま揚げ」でもいいと思います。練り物は魚のタンパク質が豊富ということで最近よく紹介されています。その他、サラダチキンと卵のサラダ、納豆なども簡単にプラスできます。

野菜もゴボウなどの根菜類や、ニンジン、ほうれん草、かぼちゃ、ピーマンなどの緑黄色野菜が不足しがちになりますが、例えば、かぼちゃは、食べやすく切ってお皿に入れ電子レンジで柔らかくなるまで加熱して、熱々のところにバターをのせるだけで立派な一品。そんな簡単な一品が栄養管理には助っ人になります。

赤群
魚介類・肉類・豆類・卵・乳製品

主にたんぱく質の供給源になります。

青群
緑黄色野菜・淡色野菜・果物・海草類・茸

主にビタミンA・Cと食物繊維・鉄・カリウム・カルシウム・マグネシウム・ヨード・などの供給源

黄群
穀類・芋類・アルコール・砂糖・油脂

主に糖質・脂質などの供給源になります。

 

 

よく使う食材のたんぱく質の量は目安で覚えておくとラク。

たんぱく質はメイン料理の食材から摂ることが多いので魚や肉などメイン料理に使われる食材のたんぱく質を覚えておきます。肉や魚類のたんぱく質の量はおおよそ20%前後で、100gの肉であればタンパク質の量は20gです。外食などいただく料理の正確なグラム数がわからなくても、おおよその数字で把握しておけばOKです。

肉類はパックにグラム数が書いてあるので概算で計算ができますが、魚は切り身あり、一尾ものあり、また廃棄部分もあるので、いつも買っている魚を一度計ってみて重さを確認して、慣れてくれば概算でわかるようになります。スーパーで売っている鮭などの切り身は大体70~80g前後のものが多いですが、切り身の大きさはその時々で異なります。

病人食ではなく健康な方の食事なので、あまり神経質にならず数値を概算で把握し、足りないと思ったら何か1品追加しよう、と気軽に考えるといいと思います。おおよその数値を覚えておくだけでもずいぶん違います。

たんぱく質を手軽に補うための習慣に

1:たんぱく質補給用の常備菜を作っておく。

大豆や高野豆腐などの煮物、蒸し鶏、チキンのマリネサラダなどの副菜を時間がある時や多めに作って保存。

2:複合食材のメニューにする。

野菜炒めに生揚げをプラス、カレーやトマト煮に大豆をプラス、チキンや豆など具材豊富なスープを作っておく、などいつもの料理にたんぱく質の食材をプラスする。

3:手軽に使えるものを常備しておく。

魚の缶詰、魚肉ソーセージ、練り物など手間が省ける食材を常備。

4:外食では、単品を追加または食後にたんぱく質をプラス。

定食に納豆や卵などをプラス、サラダはゆでたまご入りのものをプラス、または食後に牛乳や豆乳、チーズなどをプラスなど。

 

メイン料理によく使う食材の可食部100gあたりのたんぱく質の含有量

 

■ 魚介類 可食部分100gあたりたんぱく質含有量 大きさの目安とタンパク質量
食材 単位(g)  
あじ生 22.1  
あじ干物 22.9  
いわし生 21.3  
イワシ丸干し 32.8  
かつお生 25.8  
さんま生 18.1  
さんま開き干物 19.3  
さば生 20.6  
さば文化干し 18.7  
めばちまぐろま生赤身 25.4 ※刺身7切れくらいで100g
めばちまぐろま生脂身生 23.9  
びんながまぐろ赤身生 26  
サーモン 20.1 ※1切れ80g前後
銀鮭(生) 19.6  
まだら 17.6  
するめいか 17.9  
まがれい 19.6 ※1切れ80g前後
かんぱち 21  
ぶり生 21.4  
めざし生 18.2 ※1尾13~20g前後
えびブラックタイガー生 18.4  
魚加工品 可食部分100gあたりたんぱく質含有量  
食材 単位(g)  
かにかまぼこ 12.1  
蒸しかまぼこ 12  
焼きちくわ 12.5  
魚肉ソーセージ 11.5  
薩摩あげ 12.5  
     
■ 肉類 可食部分100gあたりたんぱく質含有量  
食材 単位(g)  
鶏むね肉皮なし 24.4  
もも肉皮なし 19  
鶏ささみ 23.9  
手羽元皮つき 18.2  
手羽先皮つき 17.8  
鶏ひき肉 17.5  
豚肩ロース脂身付き 18.5  
豚ももにく脂身付き 20.5  
豚ひき肉 17.7  
豚ばら肉 14.4  
豚ヒレ肉 22.2  
豚レバー 20.4  
牛肩ロース肉 13.8  
牛サーロイン脂身付き 11.7  
牛ヒレ肉赤身 19.1  
牛もも肉脂身付き 19.6  
ラム肉もも脂身つき 20  
肉加工品    
生ハム 24  
ローストビーフ 21.7  
ロースハム 18.6  
ウインナーソーセージ 11.5  
豚バラベーコン 12.9  
     
■ 卵 可食部分100gあたりたんぱく質含有量  
食材 単位(g)  
生卵 12.2 ※卵1個約50g/6.1g
ゆで卵 12.5  
ウズラ卵生 12.6  
乳製品 可食部分100gあたりたんぱく質含有量  
食材 単位(g)  
スキムミルク 34  
プロセスチーズ 22.7  
カマンベールチーズ 19.1  
モッツァエラ 18.4  
クリームチーズ 8.2  
ヨーグルト 4.3  
普通牛乳 3.3 ※200ml/6.8g
植物性生クリーム 6.8  
     
■ 大豆製品 可食部分100gあたりたんぱく質含有量  
食材 単位(g)  
えだまめ生 11.7  
水煮大豆 12.9  
納豆 16.5  
絹ごし豆腐 5.3  
木綿豆腐 7  
おから生 6.1  
がんもどき 15.3  
生揚げ 10.7  
豆乳 3.6 ※1杯200ml/7.2g
■ 主食 可食部分100gあたりたんぱく質含有量  
食材 単位(g)  
ごはん白米 3.5 ※茶碗1杯160g/5.6g
赤飯 4.3  
食パン 7.8  
ロールパン 10.1  
オートミール 13.7  
そば乾 14  
茹でそば 12  
スパゲッティ乾燥 12.9  
ウドン乾燥 8.5  
茹でうどん 2.6  
中華麺生 8.6  

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)

https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html